バスタオルの見直し
気持ちの良い肌触りと使い心地を考えてバスタオルと向き合います。
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生活雑貨
STEP1.開発のきっかけ
くらしの様々なシーンで活躍する「タオル」
手を拭くタオル、お風呂・トイレ周りで使うタオル、キッチンで使うタオル・・・
世の中にはたくさんのタオルが存在します。
値段も比較的安価なものから高価なタオルもありますね。
日本では昔からタオルは使い勝手がよく、どこの家庭でも邪魔にならずに使ってもらえることからも贈り物として親しまれてきています。
みなさんもタオルをもらった事はありませんか?
タオルは大きく分けて2タイプあります。
・「ウェットユース」・・・濡れた状態で使用する。(浴用タオルなど)
・「ドライユース」・・・乾いた状態で使用する。(バスタオルなど)
さらに、それぞれサイズや用途によってタオルの呼び方が変わります。
種類 | サイズ | ウェット/ドライ | 用途 |
---|---|---|---|
お絞りタオル | 28~34×35~42cm | ウェットユース | 顔や手を拭く |
ボディタオル(浴用) | 33~36×80~90cm | ウェットユース | 入浴時体を洗う |
ハンドタオル | 20~35×20~35cm | ドライユース | ハンカチの代わり |
フェイスタオル | 30~35×75~85cm | ドライユース | 洗面用タオル |
スポーツタオル | 30~40×100~120cm | ドライユース | 運動用 |
バスタオル | 60~70×120~140cm | ドライユース | お風呂上り身体を拭く |
ビーチタオル | 70~90×150~200cm | ドライユース | ビーチ用 |
それ以外にも織り方やパイル糸の違いによりさらに種類は広がります。
例えば、パイル糸の撚りをほとんどかけないタオルは「無撚糸タオル」や「甘撚りタオル」などと呼ばれ、ふわふわしたさわり心地でとても柔らかいのが特徴です。
一方パイルの糸を強くし、厚くしっかり織られたタオルは「ホテル仕様」と呼ばれ、耐久性に優れてしっかりしています。
織り方が異なるだけで、パイルがあっても模様のように見えることから、織り方で種類を分けることもあります。
また、パイルのないものでもタオルと呼ばれるものもあります。
いろいろな織り方
こんなにもたくさんの種類がお店に並んでいると、どれが自分に合っているのか分からず、迷ってしまいますね。
私もお店に行ってどれが自分にとって使いやすいのか、頭を抱えてしまいます。
たくさん迷って購入したタオル。
購入時は肌触りが柔らかいのに1度洗濯したら全く別物のようになってしまったり、吸水性が悪かったり・・・とイメージと実際が異なってがっかり。なんて経験もありました。
世の中にはこんなにもたくさんのタオルがあります。
タオルは私たちのくらしには欠かせないものです。
その中でも生活の基本となるバスタオル。
私たちのバスタオルはお客様の生活の基本になれているのでしょうか?
お風呂上りの柔らかい肌に使ってもらうバスタオル。
濡れた肌に使うからこそ大切な肌触り。
だからこそ、もう一度バスタオルと向き合ってみることにしました。
STEP2.バスタオルへのこだわり
皆さんはどんなバスタオルを使っていますか?
ご自分で購入したものでしょうか? それとも贈り物としてもらったものでしょうか?
昔から日本では比較的安価で使い勝手がよく、どこの家庭でも使ってもらえるものとしてタオルを贈ることがあります。
その中でもバスタオルは祝い事などの時の贈り物として選ばれてきました。
近年ではくらし方や生活の工夫、好みに合わせてこだわりのバスタオルをご自分で見つける方が増えていることから、あまりバスタオルをプレゼントしなくなってきたようです。
では皆さんはバスタオルにどのようなこだわりを持っているのでしょうか?
2012年に一般のお客様に行った「バスタオルへのこだわり」についてのアンケート調査結果をご紹介します。
男女それぞれ、一人くらしの方や家族でくらしている方など色々な生活スタイルの方にアンケートにご協力いただきました。
- アンケート期間:
- 2012年8月28日~31日
- アンケート調査方法:
- インターネットアンケート
- 対象者:
- 20~50代 男性 118名
- 20~50代 女性 116名
アンケート結果
Q.1 バスタオルを1人で使用しますか?それとも家族と兼用しますか?
家族と一緒に使う人は約3割しかいません。
7割の人が自分専用のバスタオルを使う、もしくは1人1枚使うと回答しています。
Q.2 バスタオルを購入するのは誰ですか?
半数以上の人が自分で使うバスタオルは自分で買うと回答しています。
バスタオルには皆さん何かしらのこだわりがありそうです。
Q.3 バスタオルを購入する時に重視することはなんですか?(複数回答)
「肌触り」「価格」「吸水性」「大きさ(サイズ)」は半数以上の人が重視すると回答しています。
Q.4 バスタオルを購入する時に特に重視することはなんですか?(単一回答)
どうやら「肌触り」と「吸水性」がバスタオルには欠かせないと感じていることが分かりました。
「肌触り」は購入時に実際に触って確認することができますが「吸水性」は売り場ではなかなか確認できません。
それでは、どのように「吸水性」の良し悪しを判断しているのでしょうか?
アンケートにご協力いただいた皆さんに2種類のバスタオルを用意し、実際に使ってもらってさらにアンケートに答えていただきました。
サンプル1 肌触り重視「無印良品 やわらかバスタオル」
サンプル2 吸水性重視「無印良品 高密度バスタオル」
※サンプル1、2ともに2013年販売商品
Q.5 どちらのバスタオルが好みですか?
使用前は85%以上の人が「やわらか」の方が好みだと回答していますが、使用後には50%程度まで減少しています。
使用前にはおよそ10%の人に好まれていた「高密度」は使用後には35%程まで増加しています。
使用してみて好みが変わった人に意見を聞きました。
使用後も「やわらか」が良い
- 肌触りがよく、重さが丁度良いから(30代女性)
- 厚さが比較的薄いのに柔らかいから(20代女性)
- ものすごく肌触りが良い。さらさらの絹のような感触。気持ちよかった(40代男性)
- 肌触りがよく、滑るようにふける(50代男性)
使用後は「どちらでもない」
- どちらも良い点があって選べない(30代女性)
- 肌触りは「やわらか」がいいが「高密度」は生地が厚くて高級感がある(30代男性)
- 肌触りは「やわらか」だが、吸水性は「高密度」の方が良かった(50代男性)
- 「高密度」は水の吸い取りが良く機能的に優れるが、重たすぎる。迷う(50代女性)
- さわり心地は「やわらか」だが、吸水性は「高密度」が良く、甲乙つけがたい(20代女性)
使用後は「高密度」がよい
- 肌触りは「やわらか」に劣るが吸水性が良い(30代男性)
- 程よい厚みと水滴を拭き取る水切れの良さが良かった(50代女性)
- 肌に触れた時に水分をすぐに吸い取ってくれて、拭きなおす必要がなかった(30代女性)
- 気持ちがよくホテルで使っているような感じがした(40代男性)
今回の結果では最初は「肌触り」だけで好みを判断していましたが、使用後には実際の使用感と合わせて好みを判断していることが分かります。
購入時にどんなに「吸水性」が重要だと思っていても、売り場では確認する方法がないので、実際に使ってみてがっかり…なんてこともあるかもしれません。
お店でも使用感が分かればいいのですが、購入する時は「肌触り」から吸水性を想像するしかありません。
実は、「やわらかさ」と「吸水性の良さ」は相反する関係にあります。
綿繊維はわずかに油脂分を含んでいます。
この油脂分が多いほどなめらかで柔らかいのですが、吸水性は悪くなります。
油脂分が少ないと水分をよく吸うことはできますが、肌触りはゴワゴワしてしまいます。
人の肌と同じですね。
バスタオルで大切なことは「やわらかさ」と「吸水性の良さ」のバランスであることが分かりました。
アンケートにご協力いただきました皆さん、ありがとうございました。
STEP3.タオルができるまで
バスタオルの見直しプロジェクトを始めるに当たり、私たちは無印良品のタオルを生産してくださっている工場を訪ねることにしました。
普段はなかなか見ることができないモノづくりの現場「タオル工場」。
畑で育っている綿花からどのようにタオルが出来上がるのでしょうか。
バスタオルがどのようにつくられていくのか少しご紹介します。
1.綿花の収穫
オーガニックコットン
3年以上農薬や化学肥料を使用しない畑で育った綿花を1つ1つ丁寧に手摘みします。
1つの綿花からとれる繊維はわずか25%しかありません。
そのため、バスタオル1枚をつくるのに、約70m2の畑からとれる綿花が必要です。
2.ジニング(ワタと種を分ける)
農家で収穫した綿花を種や葉カスなどのゴミとワタに分けます。
一度では取りきれないので、手や簡易機械を使って何度も何度も繰り返して丁寧に種やゴミを取り除きます。
3.紡績
繊維だけを集めた「原綿」と呼ばれる綿の塊からすべての葉カスなどのゴミを取り除いた後、繊維を紐状に束ねていき、「繊維束」をつくります。この「繊維束」を徐々に引き伸ばし、最後に撚りをかけてようやく糸が出来上がります。
4.整経、糊付け
紡績された糸をビームと呼ばれる円筒状の芯にきれいに並べながら巻き取り、経糸を準備します。きれいに並べた糸が織る工程で傷つかないように糊付けをして保護します。
5.製織
織機にセットされた「経糸」に「緯糸」を通してタオルを織っていきます。通常の織物と異なり、「パイル糸」が加わり、テリーモーションと呼ばれる特殊な動作を行うことでタオル地最大の特長であるパイルを形成します。
織機の種類にもよりますが今の織機は非常に高速化してきているので、最も早い機械では7分ほどで一般的なバスタオル12枚を織ることができます。
6.糊抜き・精錬・漂白
整経工程で付けた糊と綿繊維にもともと含まれている油脂分などを落とします。
この油脂分があると吸水性が悪くなってしまいますが、落とし過ぎても人の肌と同じようにゴワゴワになってしまい肌触りを損ねてしまいます。
この油脂分を取り除く工程を「精錬」と呼び、タオルをつくる工程の中でとても重要な工程です。
「精錬」と「漂白」の工程は同時に行うことが多く、糸の状態で織る前に行うことを「先晒し」と呼び、タオルを織りあげてから行うことを「後晒し」と呼びます。
「後晒し」工程のあと、大型の乾燥機で乾かします。
7.裁断・縫製
乾かした大きな布の状態からバスタオルのサイズに裁断し、1枚ずつ手作業でヘム部分やミミを縫製したり洗濯ケアラベルを縫い付けます。
8.タオルの仕上げ
1枚ずつ丁寧に検品し、店頭で販売できる状態に仕上げます。
バスタオルは大切に育てられたオーガニックコットンを農家の方が1つ1つ手で摘み取り、丁寧に種とワタ(繊維)に分け、糸をつくり、そしてタオル工場のノウハウや技術が集まってようやく完成します。
この製造工程はバスタオルに限らずどのタオルでも同じ工程でつくられます。無印良品のタオルは1枚ずつ丁寧につくられていることを知っていただけたら嬉しいです。
STEP4.「乾きやすい」バスタオルってどんなバスタオル?
「乾きやすいバスタオル」
この言葉を聞いて、みなさんはどのような印象をお持ちですか?
・濡れてもすぐに乾くバスタオル
・洗濯後、乾かす時間が短いバスタオル
・部屋干しでも1日で乾くバスタオル …
バスタオルは厚手でサイズも大きくふわふわしたものを使いたい。
毎日洗いたいけど、洗濯するのも大変だし乾くのも時間がかかってしまってとても毎日は洗えない。
そう思っている方も多いはず。
分厚いバスタオルは乾きにくいという印象があります。
そこで、実際のバスタオルの洗濯を想定して「乾燥するのにどのくらい時間がかかるのか?」を調べるためにこんな実験を行ってみました。
実験はバスタオルの大きさによる差をなくすために、全て同じサイズに統一しています。
評価試料:市場で売られているバスタオル28種(無印良品のバスタオル含む)
まずはバスタオル28種の飽和吸水量を調べました。
そもそもバスタオルは、厚みも大きさも重さも違うので、それぞれ「吸うことができる水の量」が異なります。
※※飽和吸水量・・・表面吸水法(JIS-L-1907)
比較的薄手バスタオルは吸える量が少なく、厚手バスタオルはたくさん吸えていることが分かりました。
これらのバスタオルをそれぞれ3分間脱水してみたところ、バスタオルに残っていた水の量はこのようになりました。
脱水度合は洗濯機の種類や一緒に脱水する衣料の量にもよりますので、実際の洗濯時には少し変わってくるかもしれません。
今回の結果では脱水後も薄手バスタオルは含んでいる水の量が少なく、厚手バスタオルは比較的多く残っていることが分かりました。
さらに脱水したバスタオルを1枚ずつ吊り干しし、乾燥にかかる時間を比較しました。
薄手バスタオルは速く乾くことが分かります。中厚手や厚手のバスタオルは薄手バスタオルに比べると乾くまでに時間がかかっています。
分厚いバスタオルは乾かすのに時間がかかり、薄いバスタオルは乾きやすい。
普段洗濯をしていて感じていることなのですが、こうやって実証されると”なるほど”と感じてしまいます。
綿100%のタオルでは「乾きやすさ」は「吸水量」と関係があることが分かりました。
一方世の中には「水を吸わない」合成繊維と綿を組み合わせて「乾きやすさ」を考えているバスタオルもあります。
合成繊維が使われていると濡れても速く乾くようなイメージがあります。
そこで綿100%のバスタオルと「綿+合成繊維」でつくられたバスタオルに同じ量の水を含ませ、乾燥にかかる時間を測りました。
どちらもバスタオルに含まれている水の量が同じであれば乾くまでにかかる時間も同じでした。
また、乾き方(水の蒸発の仕方)においても差はありませんでした。
同じくらい濡れているバスタオルを乾かす時、環境が同じであれば、乾かすのにかかる時間も同じということです。
「乾きやすさ」はタオルが吸うことのできる水の量と関係があることが分かりました。
綿100%のバスタオルで「乾きやすさ」を重視する方には「薄手」のバスタオルがおすすめです。
「厚手」のしっかりしたボリュームが欲しいけど「乾きやすさ」が気になる。という方は、洗濯時の脱水時間を他の洗濯物より少し長くして、脱水後の水分量をなるべく少なくしてみてください。
STEP.2~STEP.4を通して、色々な角度からバスタオルと向き合ってきました。
向き合ってわかった大事なこと
- 素材:つくる人に優しく、使う人のことを考えたタオルに最適なワタの選定
- 「吸水性」と「肌触り」のバランス:使う人のこだわりを実現するための工場の技術力
- 「乾きやすさ」:生活スタイルや好みを考えた品揃え
私たちはこれらを踏まえて試作を行うことにし、出来あがった試作品は「吸水性」と「肌触り」で評価をすることにしました。
次回は「吸水性」と「肌触り」の評価方法と開発の様子をお伝えします。
STEP5.吸水性と肌触りを評価する
1.「吸水性」を評価する方法
タオルなどの繊維製品の「吸水性」を評価する方法は、JIS(日本工業規格)によって5種類の方法が定められています。
タオルは他の繊維製品と異なり”たくさんの量が吸える”こと、”吸うスピードが速い”ことがとても重要です。
そこで私たちは5種類の方法の中から”吸水量”と”吸水速度”の両方を測定できる「表面吸水法」で評価することにしました。
表面吸水法
他の方法と異なり吸水スピードは0.01秒単位で測定することが可能で、同時に飽和吸水量の測定も可能です。
一般的に高吸水の繊維製品を評価する時に使用します。
2.「肌触り」を評価する方法
「肌触り」は人の感覚によるものですが、試作品を評価するには数値化する必要があります。
「風合い評価方法」には、生地自体が持っている特性(物理特性・力学特性)を数値化することで生地の風合い(触感)を評価することができるKES(Kawabata Evaluation System)があります。
布の風合い客観評価システム:KES
KES(Kawabata Evaluation System)は1972年に京都大学工学部の川端季雄博士と奈良女子大学家政学部の丹羽雅子博士によって開発された、布の風合い(触感)の客観的評価を行うためのシステムです。
“触れる”という行為を「圧縮」「引張」「曲げ」「せん断」「表面摩擦」の5要素に分け、16項目の物理量を測定します。
この物理量から「こし」「ぬめり」「ふくらみ」「しゃり」「はり」といった布の「基本の風合い」と「総合的な風合い」を10段階で数値化する方法です。
この5要素のうち、お店でみなさんがバスタオルを触る仕草から「圧縮」「曲げ」「表面摩擦」の中から3物理量を測定し、比較評価することにしました。
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圧縮特性
上から押す
-
曲げ特性
タオルの端を握る
-
表面摩擦特性
指で挟んでこする
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表面をなでる
3.完成品ができるまでの道のり
私たちは目標とするタオルをつくるために、これまで販売してきた”やわらかバスタオル”をベースに「ワタの種類」「糸の太さ」「織密度」「パイル高さ」「糸の撚り数」「厚み」を少しずつ変更した試作品をつくりたいと思い、工場に協力をお願いしました。
これだけたくさんの条件を“少しずつ変更する”ことはとても大変なことであり、かつ技術を必要とする内容でもあることからこのような試作は通常は引き受けてもらえません。
ですが工場を訪ねてお願いしたところ、「難しいことだけど、やってみるよ」と快く協力してくれました。
思った通り、これらの試作は簡単にできるものではなく、いくつかは「生産するのが難しくて織れない」と言われたタオルもありました。
「織りやすい」バスタオルでは今までのタオルと同じものしかできません。工場の技術力を注ぎ込み、たくさんの時間をかけて試作を行い、ようやく24種類もの試作品が出来上がりました。
24種類の試作品は「吸水性」と「肌触り」の評価を行いました。
「肌触り」は実使用を想定して何回も洗濯を繰り返し行った状態で評価を行います。
この結果から再度調整を行い、私たちの目標とするタオルがついに完成しました。
4.完成品を評価する(自社比較)
完成したバスタオルも試作品と同じ方法で評価をし、さらに毛羽の落ちやすさについても評価しました。毛羽の落ちやすさは脱綿率で評価します。
吸水性、脱綿率にはそれぞれ一般的なタオルの指標があり、吸水性は指標以上あれば「吸水性が良い」タオルであり、脱綿率は指標以下であれば、毛羽落ちの少ないタオルであるといわれています。
今回はこの指標を100%として比較評価を行います。
吸水性は指標よりも良く、やわらかバスタオルと同等になりました。
毛羽落ちについては、やわらかバスタオルでも指標に比べて毛羽が落ちにくかったのですが、開発品ではさらに落ちにくくなりました。
次に肌触りの結果です。肌触りの評価にはバスタオルを2回洗濯した状態で比較を行いました。
やわらかバスタオルを100%として開発品の結果を比較したグラフです。
2回洗濯後
押したときのやわらかさが“やわらかバスタオル”よりもやわらかくなり、曲げたときのかたさがより和らぎ、しなやかになりました。
さらにそれぞれ洗濯を24回繰り返し、同じように24回洗濯後のやわらかバスタオルを基準として評価をしました。
24回洗濯後
押したときのやわらかさと表面のなめらかさは、“やわらかバスタオル”と同等の結果でしたが、曲げたときのかたさはよりしなやかになっています。
私たちの目指す肌触りのやわらかさだけではない”しなやかさ”を兼ね備えたバスタオルであることが確認できました。
個人や家族のくらし方、使い方によって、バスタオルの好みは様々です。
くらしに合ったバスタオルを選んでもらえるよう、私たちは開発品(中厚手)を中心にして厚みを3種類つくることにしました。
開発品(中厚手)を100%とした3種類の厚み、重さ(目付)、飽和吸水量です。
3種類それぞれ差があることが良く分かります。
「乾きやすさ」を求める方には「薄手」が、「厚みがあってしっかり吸うこと」を求める方には「厚手」がお勧めです。
吸水性、脱綿率の評価は開発品3種類でも一般的なタオルの指標を100%として比較評価を行いました。
吸水性は3種類とも一般的な指標より優れており、毛羽も落ちにくくなりました。
「肌触り」の評価は厚みが異なると単純な比較評価ができません。
そこで、それぞれ2回洗濯後を100%として24回洗濯を繰り返すとどのように変化するのか、確認しました。
-
やわらかバスタオル
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開発品(中厚手)
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開発品(薄手)
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開発品(厚手)
「やわらかバスタオル」は24回洗濯を繰り返すと特に「曲げたときのかたさ」がかたくなっていることが分かりますが、開発品の「薄手」「中厚手」「厚手」はどれもかたくなるのを抑えることができ、今までのバスタオルよりもしなやかであることが確認できました。
コットンや製造工程を見直し、ついに完成したバスタオル。
「吸水性」はしっかり、「肌触り」はやわらかいだけではない、しなやかさのあるバスタオルに仕上がりました。
いよいよ2017年4月20日に「薄手」と「中厚手」を発売します。
次回は商品情報についてお知らせします。
STEP6.商品発売のお知らせ
2015年の秋から始まったこのプロジェクトもいよいよ大詰め。
“使う人のこだわり”や“コットンの種類”、“製造工程”そしてバスタオル自体の“性能”と向き合ってついにやわらかいだけではないしなやかさを兼ね備えたバスタオルができあがりました。
今回はこの「しなやか」なバスタオルのこだわりポイントをご紹介します。
タオルに適した「綿花・ワタ」
- 世界中で栽培されている綿花の中から、インドで生産されている綿花を選びました。
- 手間はかかりますが、環境にも生産者にも優しいオーガニックコットンを使用します。
- タオルに適した綿花のうち繊維長の長いワタを使います。
「吸水性」と「肌触り」
- 吸水性と肌触り。相反する関係だからこそ、バランスにこだわりました。
- 「押したときのやわらかさ」だけではなく、握った時や肩にかけたときにも肌触りを感じてもらえるようなしなやかさを追求しました。
- お風呂上りの肌に使うことを考えて、拭き心地が良く肌に寄り添うような風合いに仕上げました。
「乾きやすさ」と「しっかり吸うこと」
- 厚さ、重さ、ふんわり感など、好みは人それぞれです。「乾きやすさ」を重視する人もいれば「しっかり吸うこと」を重視する人もいます。「吸水量」に合わせて3種類の厚みを用意しました。
- 薄手、中厚手は乾きやすくゴツゴツしないようにヘム部を織ヘムにしました。
- 厚手はしっかりとした厚みに耐えれるようにヘム部は本縫いでほつれにくくしました。
使う人のこだわりはこれだけではありません。
「サイズ」もこだわりの一つのようです。
「体全体を覆えるくらい大きいバスタオルが好き」
「髪の毛も短いし、ジムでも使うのでフェイスタオルを使っている」
「小さい子どもと一緒に使うので、しっかり拭ける大きなバスタオルがいい」
「洗濯や収納のことを考えると大き過ぎるのは困るので、スモールバスタオルで十分」
「お風呂上りは肩にタオルをかけているので、フェイスタオルが丁度良い」
好みのバスタオルサイズについてプロジェクト関係者に聞いてみただけでもいろいろな意見がでてきました。
暮らし方、使い方、使うシーン、体の大きさによって使いやすいサイズはみんなバラバラです。そこで、それぞれの使い方にマッチしたタオルを選べるようにいくつかのサイズを用意しました。
タオルサイズについて
スモールバスタオルとバスタオルのサイズ比較
※参考:身長160cm女性使用の場合
[肩からかけた場合]
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スモールバスタオル
正面:腰のあたりまで
横から:お尻の上まで -
バスタオル
正面:膝の上まで
横から:お尻の下まで
[胸元に巻く場合]
-
スモールバスタオル
正面:腰のあたりまで
横から:ぎりぎりお尻がかくれる -
バスタオル
正面:膝の上まで
横から:膝の上までかくれる
さまざまな角度から向き合ってみて、ようやく出来上がったバスタオル。
“やわらかい”だけじゃなく“しなやかさ”を兼ね備えていることから、「しなやかタオル」という商品名で店頭に並びます。
※商品名「綿パイルタオル」も同一商品です。
-
- 種類:
- ハンドタオル
- フェイスタオル
ネットストア「しなやか フェイスタオル 薄手」 - スモールバスタオル
ネットストア「しなやか スモールバスタオル 薄手」 - バスタオル
[ネットストア]
オーガニックコットン混しなやかバスタオル・薄手/オフ白 70×140cm
綿パイルその次があるバスタオル・薄手/ネイビー 70×140cm
綿パイルその次があるバスタオル・薄手/オフ白 70×140cm - 素材:
- 綿100%
- オフ白
- 生成
- ネイビー
- ブラウン
※色は季節により変更することがあります。
※商品名「綿パイルタオル」も同一商品です。
-
- 種類:
- ハンドタオル
[ネットストア]
綿パイルハンドタオル・中厚手/オフ白 34×35cm
綿パイルハンドタオル・中厚手/生成 34×35cm
綿パイルハンドタオル・中厚手 34×35cm - フェイスタオル
[ネットストア]
綿パイルフェイスタオル・中厚手/オフ白 34×85cm
綿パイルフェイスタオル・中厚手 34×85cm - スモールバスタオル
[ネットストア]
綿パイルスモールバスタオル・中厚手/生成 60×120cm
綿パイルスモールバスタオル・中厚手/オフ白 60×120cm
- バスタオル
[ネットストア]
綿パイルその次があるバスタオル・中厚手 70×140cm
綿パイルその次があるバスタオル・中厚手 70×140cm
綿パイルその次があるバスタオル・中厚手 70×140cm - バスタオル
- 素材:
- 綿100%
- オフ白
- 生成
- ネイビー
- ブラウン
※色は季節により変更することがあります。
※商品名「綿パイルタオル」も同一商品です。
-
- 種類:
- フェイスタオル
[ネットストア]
綿パイルフェイスタオル・厚手/オフ白 34×85cm
綿パイルフェイスタオル・厚手 34×85cm - スモールバスタオル
[ネットストア]
綿パイルスモールバスタオル・厚手/オフ白 60×120cm
綿パイルスモールバスタオル・厚手 60×120cm
- バスタオル
[ネットストア]
綿パイルその次があるバスタオル・厚手 70×140cm
綿パイルその次があるバスタオル・厚手 70×140cm - バスタオル
- 素材:
- 綿100%
- オフ白
- 生成
- ネイビー
- ブラウン
※色は季節により変更することがあります。
いよいよ「しなやかタオル薄手・中厚手・厚手」がデビューします。
たくさんの人に協力して頂いて出来上がった“しなやかバスタオル”。
ぜひタオルに触れた時の“優しさ”を使ってみて実感して頂きたいと思います。
最後に、アンケートにご協力いただきました皆さん、たくさんの試作にご協力くださった工場の方、試験・評価を実施くださった研究機関の皆さん、本当にありがとうございました。