リュックの見直し
「無印良品の定番」としてこれからも使い続けてもらえるようゼロから見直していきます。
-
衣服雑貨
STEP1.プロジェクトの始まり
みなさんは普段どのような“鞄”を使っていますか?
トートバッグ、ハンドバッグ、ショルダーバッグ、リュックサック、ボストンバッグ、ビジネスバッグ‥‥
世の中にはいろんな種類の”鞄”が売られており、デザインや形も様々です。
そんな中でも最近では街中でリュックを背負っている人を見かけることが多くなってきました。
リュックは重い荷物も持てるし、背負うことで両手が自由に使えるので便利な鞄です。
ではリュックはいつ頃誕生したのでしょうか?
リュックの歴史
-紀元前3300年頃-
最も古い鞄は動物の皮や植物でできていました。
氷河の中から発見されたアイスマンのミイラが【獣皮を編んだポシェット】【山羊皮製のリュックサック】【子牛皮の袋】を持っていたことが確認されています。
-15世紀頃-
ヨーロッパでの戦争スタイルが銃撃戦に変わった頃、兵士は長期戦にも耐えられるように食糧や弾薬を入れた袋を背負うようになったと言われています。
-明治20年(1887年)-
日本でも軍隊で「背嚢(はいのう)」と呼ばれる布製の背負い鞄を使っていました。
この背嚢を箱型にしたものを当時の総理大臣・伊藤博文が大正天皇の学習院初等科入学祝として献上したのが現在のランドセルの始まりです。
-昭和28年(1953年)-
合成繊維ナイロンを素材としたナイロンバッグが開発されました。
もちろんリュックも、それまでは革や帆布でつくられていたましたが、ナイロン素材を使うことで軽量になり、リュックは一般的になりました。
また、丈夫で色の染め上がりも美しく、汚れが簡単に落ちるナイロン生地を使用した鞄は鞄の一大革命とまで言われるほど鞄業界にとって画期的な出来事でした。
なんと現在確認されている最古の鞄の中にリュックがあったんです。
昔からリュックは「荷物を運ぶのに便利な鞄」であったことが分かります。
「荷物を運ぶのに便利な鞄」であるリュックは現代に入り使うシーンや使う人によって様々な機能やデザインが開発されてきました。
無印良品でもこれまでに様々なリュックを販売してきました。
無印良品のリュック
アタックザック
登山やアウトドア用
デイパック
1日分程度の荷物を入れる用
- カジュアルタイプ
- ナップサック
- タウンユースタイプ
- 2・3WAYタイプ
サブザック
たためるリュック
などなど・・・
中でも「タウンユースタイプ」のリュックは種類や素材、色を少しずつ改良し、お客さまからも「何よりもシンプルなところが良い」「軽くてたくさんモノを入れられるのが嬉しい」「サイドファスナーポケットが便利」など嬉しいお声をいただき、無印良品の定番商品になっています。
ですがタウンユースタイプのリュックは「シンプル」「軽い」「サイドファスナーポケット」だけで十分なのでしょうか?
そこで私たちは「無印良品の定番」として、きちんとお客さまにワケを伝えられ、これからもお客さまにずっと使い続けていただけるような商品にしたいと考え、ゼロから見直すことにしました。
STEP2.リュックについてのアンケート
街を歩いている人をみていると、リュックを背負っている人、ビジネスバッグを肩から下げている人、ハンドバッグを持っている人、トートバッグを持っている人・・・
以前よりはリュックを背負っている人を良く見かけるようになったのですが、世の中には他にもたくさんの鞄が存在します。
このリュックの見直しプロジェクトが始まってすぐ、いくつかの疑問が浮かび上がりました。
「数多くある鞄の中から、どうやってその日使う鞄を選んでいるんだろう?」
「リュックを使っている人はどのくらいいるの?」
「リュックにはいろんなタイプがあるけれど、日常使いしているリュックってどんなリュック?」
どうやらリュックに関する基本的な調査が必要なようです。
そこでリュックが日頃どのように使われているのか知るために、一般のお客様にアンケートにご協力いただきました。
- 実施期間:
- 2015年7月31日~8月3日
- 調査方法:
- インターネット調査
- 対象者:
- 全国 10代~60代の男女 10036人
- (調査委託先は株式会社クロス・マーケティング)
アンケート結果
Q.1 どんな鞄を持っていますか?(複数回答)
ハンドバッグ ショルダー(肩紐固定) エコバッグ ボストンバッグ ショルダー(肩紐調整) スーツケース トートバッグ リュック
男性より女性の方が圧倒的に多くの鞄を所有しています。
また、女性に最も人気の鞄は「トートバッグ」で、男性に最も人気の鞄は「リュック」であることが分かります。
この結果ではリュック以外の鞄は男性よりも女性が多く所有していますが、リュックは男性も女性も同じくらい所有している鞄であることが分かりました。
Q.2 平日に最もよく使う鞄はどれですか?(単一回答)
男性
女性
男性は平日は「ビジネスバッグ」「リュック」「肩紐の調整ができるショルダーバッグ」「トートバッグ」を使っているようです。しかし、「鞄を使わない」と回答した人が2割弱もいました。
女性は平日に「トートバッグ」「肩紐の調整ができるショルダーバッグ」「肩紐が固定されているショルダーバッグ」「リュック」を使っていることが分かりました。
では、休日にはどのような鞄を使っているのでしょうか?
平日に使用していると回答した鞄別にみてみましょう。
Q.3 休日に最もよく使う鞄はどれですか?(単一回答)
平日にトートバッグを使う人
平日にショルダーバッグ(肩紐調整)を使う人
「平日にトートバッグを使っている人」のうち4割以上の人が「休日もトートバッグを使用している」と回答しています。
「平日にショルダーバッグ(肩紐調整)を使っている人」では6割の人が「休日もショルダーバッグ(肩紐調整)を使用している」と回答しています。
次に「平日にリュックを最もよく使う」と回答した人に休日に最もよく使う鞄を回答してもらいました。
平日にリュックを使う人
「平日にリュックを使っている人」のうちおよそ5割の人が「休日もリュックを使用している」と回答しています。
この他の鞄も同様に4割以上の人が平日に使用している鞄と同じの鞄を休日に最もよく使うと回答していました。
どうやら鞄は頻繁に使い分けしないといえそうです。私も鞄を変えると忘れ物をしてしまったりするので、ついついいつも同じ鞄を使用してしまいます。
ここからはQ1でリュックを所有していると回答した人にだけ回答してもらいました。
Q.4 リュックは1週間のうちどのくらい使いますか?
リュックを所有している人のうちおよそ4割の人が「週に1回以上使う」と回答しています。
リュックは日常的に使用されている鞄であることが分かります。
Q.5 リュックを使う理由はなんですか?
「両手が空く」「便利・楽」「たくさん荷物が入る」と回答した人を合わせると6割以上います。
リュックは他の鞄と異なり背中に荷物を背負うことで両手が空いたり、手で荷物を持つよりも多くの荷物を持ち運ぶことができます。
みなさんはこういったリュックの利点を感じて使っているのですね。
Q.6 普段最もよく使うリュックのタイプはどれですか?(単一回答)
ファッション タウンユース アウトドア ビジネス スポーツ 2・3WAY 折りたためる
日常使いのリュックとしてはタウンユースタイプが人気だということが分かりました。
さらに男女別でみるとスポーツタイプやアウトドアタイプは男性に人気があり、ファッションタイプは女性に人気があるようです。
Q.7 日常使いのリュックを買うときにこだわりはありますか?(複数回答)
およそ7割の人が購入時に「容量」を重視すると回答しています。
リュックを使用する理由に「荷物がたくさん入る」と回答していることからも、リュックはたくさんの荷物を入れられる鞄だと認識されているようです。
また、「フィット性(背中・肩)」や「クッション性(肩紐)」「クッション性(背中)」「通気性」はあまりこだわりのポイントではないことも分かりました。日常使いのリュックなので、見た目にゴツゴツしてしまうような機能性よりも街中で使えるようなファッション性やシンプルさが求められているようです。
アンケート調査の結果から、リュックは他の鞄にはない「両肩で荷物を背負う」という点が良いと認識されていることが分かりました。
また、たくさんの荷物が入れられるように「容量」が大切であるということ、日常的に使うものだからこそファッション性やデザイン性も大切だということも分かりました。
アンケートにご回答いただきました皆さん、ご協力ありがとうございました。
STEP3.グループインタビュー
STEP.2で報告した通り、アンケート調査の結果では無印良品でも販売しているタウンユースタイプが日常使いとして最も愛用されているリュックであることが分かりました。また、日頃街中で使うリュックを購入する時には「容量」「色・デザイン」「軽さ」「背負いやすさ」を重視して自分に合ったリュックを選んでいることが分かりました。
では、数あるリュックの中からなぜそのリュックを選んだのでしょうか?
「容量」「色・デザイン」「軽さ」「背負いやすさ」という言葉だけではわからないこだわりが何やらありそうです。
そこで、座談会形式のグループインタビューを行うことにし、もう少し詳しく皆さんがリュックについてどう思っているのか伺うことにしました。
今回はその様子を紹介します。
アンケートにお答えいただいた方の中から30名の方に集まっていただき、リュックのどんなところが気に入っている点で、どんなところに不満があるのか、より具体的に教えていただくため、実際にリュックを触ったり背負ったりしながらリュックについて意見交換してもらいました。
グループインタビューとは
調査条件に適合する対象者を一同に集め、司会者(モデレーター)の進行のもと様々な話題について自由に意見交換してもらう座談会形式の定性調査。
- 実施日:
- 2015年9月22日・23日
- 参加者:
- 20代~50代 男女 計30名
- 実施グループ:
- 5グループ(男女、年代別)(1グループ6人ずつ)
- 参加条件:
- 普段愛用しているリュックのタイプが「タウンユースタイプ」
- 時間:
- 1グループ 2時間
1)リュックを使う理由を教えてください。
・両手が空くので便利だから
・買い物の時など楽だから
・重いものもかさばるものも、背中に背負うことで楽だから
・たくさん荷物を入れても重心バランスがいいから
どのグループでもリュックを使う理由は同じでした。
どうやらみなさんリュックの実用的な機能が気に入って使っているようです。
その他には震災の後からリュックを使い始めたという意見もありました。
「水」「軽食」「地図」「ゴミ袋」「エイドバッグ」「ライト」など携帯し、何かあった時のために備えているようです。
2)リュックを買う時に重視することは何ですか?
・自分の背中とリュックの大きさのバランス
・ポケットの数
・デザイン
アンケート調査の結果では「容量」という意見が最も多かったのですが、グループインタビューでさらに話を伺っていると、どうやら「容量」というよりは「見た目の大きさ」を重視しているようです。
みなさんの意見を”見た目へのこだわり”と”使い勝手を考えた時のこだわり”に大きく分けると、
見た目へのこだわり
・背負った時に自分の背中とリュックの大きさのバランスが丁度良いこと
・大き過ぎず、たくさん入るがコンパクトに見えること
・全体のデザインがシンプルで、肩紐もゴツゴツしていないこと
・肩紐の幅が太すぎず細すぎないこと
・見た目にパンパン入れているように見えないように中身はほどほどにすること
使い勝手を考えた時のこだわり
・折り畳み傘やペットボトルを入れられるようなサイドポケットがあること
・定期券や携帯電話などが出し入れしやすいサイドポケットがあること
・中に仕切りになるような大きなポケットがついていること
・中身が取り出しやすいようにチャックが大きく開くこと
・ポケットの数は多くなくて良い(どこに何を入れたかわからなくなってしまうから)
どうやら「見た目へのこだわり」も“ファッション性”というよりはリュックの“使い心地”に関するこだわりが強いということが分かりました。
3)日頃リュックを使っていて不満に思うことや気になることはありますか?
リュック自体
・リュックの形によってはA4サイズの書類の角が折れてしまう
・中身が取り出しにくい
・リュックの中で中身がぐちゃぐちゃになってしまう
・一度背負ったらおろすのが面倒
・細い肩紐だと重い荷物を背負った時に肩に食い込んで痛くなる
その他・気になること
・背中にお財布などの貴重品を入れていると不安
・電車で背負ったままだと他人に迷惑がかかる
・夏場の汗や洋服のしわが気になる
・肩紐を最大限に伸ばして使っている人が気になる
リュックは便利な鞄だけれども皆さん多少なりとも不満はあるようです。
ですが、皆さんこの不満に対して様々な工夫をしてリュックを使っていました。
様々な工夫
・リュック用の仕切りを使って中身をすっきりさせる
・A4サイズの書類を入れる時は四角い形のリュックを使う
・貴重品はサブバッグに入れるかリュックの奥に入れる
・夏場には汗が気にならないような洋服を着たり、着替えを持ち歩く
まとめ
みなさんリュックについて同じような認識を持っていることが分かりました。
「荷物を両肩で持つ(背負う)ことができるからバランスがいい」
「両手が空くので便利」
「重い荷物を背負っても両肩で重さを分散しているので“楽”」
この3点がリュックを使う最大の理由だということが分かりました。
最近の流行でリュックを使い始めた人はファッションアイテムの一つとして認識しているのに対し、長年リュックを愛用している人は「一度リュックの”便利さ”を知ってしまうとリュックが手放せない」というほどリュックは実用的アイテムとして認識していることも分かりました。
また、「荷物があっても両手は自由に使えるようにしておきたい」ことと「重い荷物を背負っても両肩で重さを分散できる」という認識から、外出中などに荷物が増えるとほとんどの人はリュックにしまうとのことで、荷物はどんどん重くなる傾向にあることも分かりました。
では実際にリュックを背負った時に肩にはどのように荷物の重さがかかっているのでしょうか?
荷物が重いと細い肩紐のリュックは肩に食い込んでしまって痛みが生じるという意見もありました。
市場で売られているリュックには「肩紐の幅」や「肩紐の厚み」など様々なものが売られているので、きっと皆さんが”重い荷物を背負った時に楽”と感じるようなリュックがあるはずです。
そこで、私たちは無印良品で販売しているリュックに加えて市場で販売しているリュックを使って「実際にどのように肩に荷重がかかっているのか?」を調べてみることにしました。
グループインタビューに参加してくださったみなさん、ご協力ありがとうございました。
STEP4.リュックを背負った時に肩にかかる荷重を測定する
「重い荷物を背負っても両肩で重さを分散しているので“楽”」STEP3.グループインタビューでは参加してくださった方全員がこのように話をしてくれました。
その他にリュックを使い始めたばかりの方からはこんな意見も出ていました。
「肩紐が細いと、肩に食い込んでしまって痛くなることもある」
最近ではビジネスシーンでもリュックサックの使用が受け入れられていることや、PCやタブレットの普及によりリュックにこういった電子機器を入れている人も増えています。
また、食料品の買い物にいき、牛乳や調味料など重いものをリュックに入れて持ち帰るという方もいました。
リュックの使い方としては1日中荷物が重い方もいれば、外出中に買い物をし、帰宅する頃には荷物が重くなっている方もいるようです。
重い荷物を背負っていると、肩紐が食い込んで痛みが生じたり、背中で荷物を支えようとして猫背になってしまったり…便利だからと言ってもこういった状態になってしまっては、何かしら体に影響が出てしまいます。
そこで、市場で売られている様々なリュック(タウンユースタイプ)を集めて、実際にリュックを背負った時に肩にはどのように荷重がかかっているのか? を調べることにしました。
今回は、圧力分布を測定することのできるシートを使用して、肩にかかる荷重をシートにかかる圧力として観察します。
評価条件 | 詳細 | |
---|---|---|
リュック | サンプル数 | 11種(無印良品及び市場販売品) |
肩紐の厚み | 5.5~16mm | |
肩紐の幅 | 50~75mm | |
価格 | ¥3,980~¥29,700 | |
負荷 | 9kg | |
評価試技 | 立位(静止) |
測定結果は色で「圧力の強さ」を表わします。
色が赤に近いほど圧力が強く、青に近いほど圧力が弱いことを表わしています。
測定をしてみるとどのリュックでも皆さんが感じているように「両肩で重さを分散している」ことが分かりました。
それでは肩紐の厚みや幅に注目してそれぞれの結果を見てみましょう。
無印良品のリュックは肩紐幅が50mm、肩紐の厚みは7mmです。
無印良品 肩紐幅の太いリュック(75mm) 肩紐の厚みが薄いリュック(6mm) 肩紐の厚みが厚いリュック(14mm)
肩紐の幅や肩紐の厚みが異なっているのに、どのリュックも肩紐の内側に圧力が集中してしまっています。
肩紐の幅が広くて、厚みがある肩紐はしっかりと肩にフィットしているイメージがありましたが、どうやらそうとは言い切れなさそうです。
この結果を受けてリュックの構造について少し考えることにしました。
ほとんどのリュックは荷物を入れる袋の上(本体)と側面に肩紐が縫い付けられています。
荷物を入れる本体の上側では肩紐は横向きに(青矢印)、側面では縦向き(ピンク矢印)に縫い付けてあります。
これを背負うと肩紐はうまく捻られ肩にも脇腹にも沿うようになります。
また、肩紐は内側(濃い緑矢印)と外側(黄緑矢印)で引っ張っている距離が異なるので、内側(濃い緑矢印)はピンと張り、外側(黄緑矢印)にはしわが寄っていることが分かります。
なるほど。
- 肩紐の両端で縫製している向きが違うこと。
- 肩前付近で捻じれが生じていること。
- 肩紐の内側と外側で引っ張られている距離が異なること。
肩にかかる圧力が肩紐幅の内側に集中してしまっていたのはこれらの理由によることが分かりました。
さらに荷物が重くなると肩紐の内側に強く負荷がかかり、肩紐の外側は身体から浮いてしまっていることも分かりました。
アンケートやグループインタビュー、肩圧分布の結果から、日常使いするリュックで求められる課題が見つかりました。
-
現状
両肩で荷物の重さを分散できる
重い荷物を入れてしまう
肩の一部に荷物の重さが集中する
肩に強い負担がかかる
-
理想
両肩で荷物の重さを分散できる
重い荷物を入れてしまう
肩に肩紐の幅全体がフィットしている
肩紐の幅全体で荷物の重さを分散する
肩にかかる負担を軽減する
この課題を解決するような、私たちが求める理想のリュックを目指して試作を始めました。
次回は試作して出来上がったリュックについてご報告します。
STEP5.試作品ができました
“STEP4.リュックを背負った時に肩にかかる荷重を測定する”でもお伝えした通り、背負った時に肩にかかっている荷重を測定してみたところ、肩紐の全体ではなく内側にだけ片寄って荷重がかかっていることが分かりました。
外側は荷重がかかっていないだけでなく、肩に触れていないリュックもたくさんありました。
確かにリュックは両肩に荷重がかかるので手で持つよりも楽に荷物を持つ(背負う)ことができ、便利な鞄です。便利だからこそついつい荷物が重くなってしまいますが、いくら楽に持てるといっても一部に荷重が集中してしまうことは望ましくありません。
私たちの目指すリュックは肩紐の一部に荷重が集中しないよう、肩紐が肩にフィットして肩紐の幅全体に荷重がかかるリュックです。
理想のリュックを目指して試作をスタートしました。
試作第1弾
現状のリュックの構造では“肩紐の内側と外側で引っ張っている距離が異なっている”ことが分かりました。
この事に注目し、肩紐(上部)と本体とを縫い付ける部分(付け根)の角度を変え、肩紐の内側と外側が同じ距離になるようにしました。
角度を変えるだけなので、外観はシンプルなまま改良することができます。
出来あがった試作品を担当者で背負ってみたところ、肩紐が肩から落ちてしまったり、肩紐の付け根付近の外側が肩に食い込み逆に内側が浮いてしまう人もいることが分かりました。これでは使える人が限られてしまうので、もう一度試作のやり直しです。
試作第2弾
角度を変えずに”肩紐の内側と外側で引っ張っている距離を同じ”にすることはできないでしょうか?
そこで注目したのは「生地の伸び率」です。
肩紐の内側(付け根付近)に使用している生地を伸縮性の高い生地に変更することで張力が強く働いている肩紐の内側が外側よりも伸び、引っ張っている距離を同じにできるように改良しました。
背負ってみたところ、肩から肩紐が落ちてしまう人はいなくなり、見た目にも肩紐の内側が外側よりもたくさん伸びて肩紐は肩にフィットしているようです。
しかし、「生地が伸びる」と重い荷物を入れることの多いリュックでは耐久性が心配です。
また、生地を一部変更することで見た目がシンプルではなくなってしまいました。
試作第3弾
私たちの目指すリュックは見た目がシンプルであることも重要です。アウトドア用のリュックのように見た目にわかるようなデザインにするのではなく、見た目はシンプルなまま、肩に沿うような肩紐にするにはどうしたらいいのでしょうか。
そこで今度はリュックを背負った時に肩紐の付け根付近では”外側が身体から浮いてしまっている”ことに注目し、肩紐の中に入れている芯材の厚みを内側は薄く、外側は厚くすることで身体から浮かないように改良しました。
芯材を改良しているだけなので、見た目にもシンプルな試作品が完成しました。
背負った状態の肩紐の様子を確認したところ、見た目には肩紐の外側も内側も身体からは浮いていません。
背負った感じも肩にフィットした感じがあり、これは期待できそうです。
内側と外側の厚み差を最適にするためにさらに試作は続きます。
厚み差が少ないもの、厚み差が大きいもの。
考慮する部分は厚み差だけではなく、外側の厚みが分厚すぎてもいけません。
また、内側が薄すぎるのも良くありません。
ちょうどよい厚み差を探すために改良を続け、ついに試作品が完成しました。
では実際の肩にかかる荷重はどのように変わったのでしょうか?
見た目には良さそうですが、肩にかかる荷重が肩紐全体にかかっていなければ目指しているリュックの完成とはいえません。
前回と同じように肩にかかる荷重がどのようになっているのか測定してみることにしました。
次回は測定の結果について報告します。
STEP6.試作品を評価する
試作を繰り返してようやく完成したリュック。
見た目では肩から肩紐が浮くことなくフィットしているように見えています。
試作第3弾
では肩紐にかかる荷重はどのように変化したでしょうか?
もう一度圧力分布を測定することのできるシートを使って確認することにしました。
試験概要 | 詳細 |
---|---|
マネキン | 20代男性 標準寸法マネキン |
負荷 | 7kg |
評価試技 | 立位(静止) |
圧力測定シートの結果を改良前のリュックと比較します。
改良前 試作第3弾
改良前は肩紐の内側に荷重が集中してしまっていたのに対し、試作第3弾は肩紐の外側にも荷重が分散されています。
背負ってみた時には肩紐は肩にフィットしているように見えていましたが、実際には肩に触れているだけでなく、肩紐の外側にも荷重がかかるようになったことが分かりました。
また、荷物の重さを肩紐の幅全体に分散させたことによって肩にかかっている負荷が和らいでいます。
同じ重さの荷物を背負っても荷重が集中しているより分散している方が肩には良さそうです。
しかし、よく見ると肩紐の内側にはあまり荷重がかからなくなってしまっています。
内側と外側に厚み差をつけすぎたのでしょうか・・・。
どうやら微調整が必要なようです。
試作第3弾から再度微調整を行い、試作第4弾が出来上がりました。
早速圧力分布シートの結果を見てみましょう。
試作第3弾 試作第4弾
試作第3弾に比べて、試作第4弾は肩紐の内側と外側に荷重がうまく分散しているようです。
試作第3弾 試作第4弾
背負った状態の肩紐を確認したところ、見た目にも肩紐の外側と内側は身体から浮いていません。背負ってみた感じも肩にフィットした感じがあります。
試作第3弾は肩紐の外側が盛り上がっていましたが、試作第4弾では見た目にもスッキリしました。
また圧力分布シートの結果では、改良前は狭い範囲に荷重が集中していたので、圧力の強い赤い部分が目立っていますが、試作第4弾では広い範囲に荷重が分散したことで全体的に圧力の弱い青色が多くなりました。
圧力の強い赤い割合が減り、圧力の弱い青い割合が増えたことで肩にかかる荷重はどのくらい軽減されたのでしょうか。
改良前を基準として、「単位面積あたりの荷重」を比較しました。
肩にかかる平均荷重
改良前に比べて肩にかかる平均荷重が約40%程軽減されています。
肩紐が内側も外側も身体から浮くことがなくなったので、その分荷物の重さが分散できているということが分かりました。
ついに肩紐の一部に荷重が集中しないような、肩紐の幅全体で荷重を分散することができるリュックが完成しました。
次回はこのリュックをつくってくださる生産工場を紹介します。
STEP7.生産工場の話
ついに完成したリュック。
どんなに素晴らしいリュックでも工場で生産することができなければ商品にはなりません。
今回の改良では他のタウンユースタイプのリュックにはない肩紐の形状にしているので、通常のリュックの製造工程に新たな工程を追加する必要があります。
このリュックの見直しプロジェクトを試作品の作製時から協力してくれた工場ではどのようにリュックがつくられているのでしょうか?
今回はこのリュックの見直しプロジェクトに快く協力してくれた工場の生産現場をレポートします。
今回のリュックをつくるに当たって試作から協力してくださっている工場はベトナムのホーチミンにあります。
工場は6階建てで、無印良品のリュックは6階にある生産ラインで製造されます。
リュック生産工場(プンコックⅢ工場)・外観
リュックは生地をパーツごとに裁断し、そのパーツを縫製して出来上がります。肩紐を構成する芯材は裁断された状態で工場に納品されるので、肩紐の側生地に入れて本体に縫い合わせれば完成です。
登山用のリュックのように付属品があまりないシンプルなタウンユースタイプのリュックは製造工程もシンプルです。
ですが、大きな機械をあまり使わない分、ヒトの手による作業が多いのも特徴です。
1.生地、備品の受け入れ
リュックで使用する生地やファスナー、金具などは工場に到着するとまず全数検品します。
生地に穴や傷などがないか、金具などに傷や汚れはないか、ヒトの目でしっかりとチェックします。
肩紐を構成する芯材もここでチェックをします。
2.生地の裁断
パーツごとに型紙を作成し、生地を裁断していきます。
生地は何枚にも重ねてまとめて裁断するため、一般的なはさみではなく電動のこぎりのような刃物を使用します。危険な作業でもあるため、作業時には金物でできた手袋をして作業者の危険を回避します。
3.パーツごとの縫製
縫製ラインには横にたくさんのミシンが並んでいます。
でも、どのミシンも全て同じではありません。縫う場所に合わせた専用のミシンと専門の作業者でそれぞれのパーツを縫っていきます。
肩紐の側生地もここで縫製します。
4.肩紐の組立
肩紐は中のクッション部分である芯材と側生地で構成されています。
工場に入荷した芯材はこの工程で側生地に入れられます。
今回改良した芯材は側生地に入れる前に工場の中で目的の形状に仕上げます。この工程は通常の工程にはない特別な工程です。
5.本体とパーツの縫製
背面の生地と肩紐、そして本体と縫い合わせていきます。
ここまでくると、ようやくリュックらしくなってきます。
6.検品
全てのパーツを縫製し終わるとリュックが出来上がります。
でも、お店に並ぶにはあともう少し。
出来あがったリュックに寸法間違いや傷などがないか、不具合が起きないように検品して、ついに完成です。
生産工場インタビュー
DH Kim工場長
Q1.最初に今回の試作の話を聞いたとき、どのように思いましたか?
これまでにもたくさんのリュックで肩紐の改良は試みてきましたが、今までの改良で効果があったかはわかりませんでした。今回の改良もシンプルな改良なので、効果があるのか確信は持てませんでした。
Q2.「荷重を分散させると肩にかかる負担が軽減される」という結果を見た時、どのように感じましたか?
日本のお客さまがどのように使用されているのかを調査し、そこから課題を見つけ出すという開発プロセスには感動しました。
試作の段階ではミリ単位での微調整を繰り返し行い、たくさんの試作品をつくりました。
これだけたくさん行った試作が無駄にならず、このような商品開発ができたことに満足しています。
Q3.生産するに当たり気を付けていることを教えてください。
この商品を作るのに一番重要な工程は「芯材に厚み差をつける」工程です。
厚み差には誤差が生じないように独自の機械を開発しました。また、芯材そのものの品質安定にも取り組みました。
最後に
新しい製品を作り出すには試作段階から一緒に考えてくださるメーカーや工場の協力が必要不可欠です。
工場を訪ねて、改良したリュックの性能について説明したところ、「これは面白い!」「本当に肩にかかる荷重が変わるのか?」と興味津々にその場で背負って確認している姿が印象的でした。
リュックを開発するに当たり快く引き受けてくださった関係者の皆さまに感謝します。
開発・生産に協力してくださった㈱エーストレーディングとプンコックの皆さん
次回は発売直前、いよいよ最終回です。発売する商品情報をお知らせします。
STEP8.商品発売のお知らせ
リュック見直しプロジェクトの連載もついに最終回。
2015年夏から開発してきたリュックがついに発売を迎えます。
これまで販売してきたタウンユースタイプのリュックサックをゼロから見直し、「無印良品の定番」としてこれからも長く愛用いただけるリュックをつくりたい! という思いから始まったこのプロジェクト。
皆さんが日頃どのようにリュックを使っているのかご意見を伺い、たくさんの方に協力してもらいながら、ようやく完成しました。
まずは開発ポイントをおさらいするとともに、リュックを背負うときのポイントについてご紹介します。
開発ポイント①
芯材の厚み
背負った時に肩紐が内側も外側も肩から浮かないよう、外側に厚みを追加しました。
荷物が重くなるほど肩紐の内側に集中していた荷重が肩紐の内側と外側で分散できるようになりました。
厚みを追加する場所
厚みを追加する場所は肩紐の付け根から肩前部分までです。
厚みを追加する場所を限定することで、背負った時に生じる肩紐の捻じれに影響を与えないので、背負った時にも違和感がありません。
また、脇の下や脇腹付近の厚みを抑えることで歩行時でも肩紐が邪魔になりません。
改良した芯材の形状
背負うときのポイント
肩紐の長さ
今回の開発では特に重い荷物を入れた時に肩にかかる負担を軽減できるようにしています。
この効果を実感し、重い荷物を入れても快適に背負うためには、追加した厚みが肩に乗っていることが重要です。
肩紐が長すぎると追加した厚みが肩の荷重がかかる部分から外れてしまい、効果を感じることはできません。
最適な肩紐の長さに調節する
快適に背負うためには肩紐の長さをちょうどよい長さに調節することが大切です。
リュックに何も荷物を入れずに背負ってみても、肩紐の長さや背負い心地は確認することができません。
日常的に重い荷物を入れない人も、比較的重い荷物を入れる人も、肩紐を調節する時はリュックに少し荷物を入れて背負い、鏡で自分の横姿を確認しながら調節してください。
効果を実感する長さに調節するには「リュック本体をなるべく体と一体化させる」ことを目安に調節してみてください。
◎よい背負い方 ×悪い背負い方
開発ポイント②
サイドポケット
便利な鞄だからこそ、使い勝手は大切です。
リュック本体の両脇にペットボトルや折り畳み傘などがすっぽり入るサイドポケットを付けました。
サイドファスナー付きポケット
背中に背負う鞄だからこそ、貴重品が心配だという方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために背面にサイドファスナー付きポケットを付けました。
お財布や定期券など安心してしまうことができます。
私たちが目指していた肩の一部に荷重が集中せず、肩紐幅全体に荷重がかかるリュックは2017年6月29日(木)に店頭に並びます。
この肩紐を採用したリュックは商品タグに「肩の負担を軽減する~」「肩の負担を軽くする」と記していますので、探す時の目安にしてください。
皆さんが日頃使っている様子をうかがって、試行錯誤しながら完成したリュックは、私たちが自信を持ってお勧めできる商品になりました。
このリュックは荷物が軽い時には普通のリュックと背負い心地は変わりませんが、重い荷物を背負った時には背負い心地の違いを実感して頂ける商品です。
“ついつい荷物が重くなってしまう”という方にはぜひお試しいただきたいと思います。
また、デザインはシンプルなままなので、男性も女性も、色々なコーディネートにも合わせやすいので様々なシーンでお使いいただけます。
最後までこのプロジェクトにお付き合いいただきありがとうございました。
無印良品のモノづくりに少しでも多くの方に興味を持っていただけると嬉しいです。
店頭で見かけた際にはぜひ背負ってみてください。
最後に、アンケートにご協力いただきました皆さん、評価にご協力いただきました皆さん、たくさんの試作にご協力くださった工場の皆さん、本当にありがとうございました。
STEP9.特許取得のお知らせ
定番リュック見直しプロジェクトを通じて改良したリュックサック。
現在では「肩の負担を軽くするリュックサック」という商品名でお店に並んでいますが、2017年6月の発売以来とても多くの方にご愛用いただき、無印良品の定番リュックとなりました。
ご愛用いただいているお客様からたくさん声をいただいていますので、いくつかご紹介します。
重たい荷物を運ぶとき、本当に助かっています。(男性)
かなりズッシリ入れて1日背負っていても全然肩が疲れません。リュックは肩が疲れるのが苦手でずっと避けてきましたがこれなら全然大丈夫。(女性)
毎日重たい教科書を背負って通学していました。でもこのリュックは本当にすごい。肩への負担が劇的に違います。このリュックに出会えてよかったです。(女性)
背負ってみるととにかく軽く、肩に負担がかからない!(女性)
確かに肩の負担が軽くなり、感動しました。(男性)
肩の負担を軽くするリュックは本当に驚きました。重さの感じ方が全く違う!!(女性)
このリュックの大きな特徴は「肩の負担を軽くする」ということ。
そのヒミツは無印良品オリジナルの肩紐の構造にあります。
この構造は2018年12月に特許として登録されました。
今回登録になった特許の内容について簡単にご紹介します。
特許第6445744号
発明の名称
「リュックサック用肩紐及びそれを備えたリュックサック」
背景
リュック特有の構造に基づき、従来のリュックサック用肩紐はその内側の狭い領域のみが肩に接することとなり、そこに荷重が集中していました。その結果、荷重が増えるに従い、実際の荷重以上の重みを感じたり、肩紐が肩に食い込んで痛みが生じるなどの事象が起きていました。
特許技術概要
リュックサック本体との上部接合部から肩の前部分にかけて肩紐幅全体を肩に接するようにさせるために、肩紐の外側が内側に対して厚くなるように芯材に高低差を設けました。
従来の肩紐と特許技術を用いた肩紐で重い荷物を背負った時に肩にかかる圧力を比較すると、特許技術を用いた肩紐では、従来の肩紐よりも荷重が肩紐幅全体にかかっていることが分かります(圧力分布イメージ図)。
荷重が肩紐幅全体にかかるようになることで、実際の荷重以上の重みを感じたり、肩紐が肩に食い込んで痛みが生じるなどの事象が軽減され、「肩の負担を軽くする」効果が得られます。
(参考:「STEP6.試作品を評価する」)
従来の肩紐 特許技術を用いた肩紐
「肩の負担を軽くする」効果は、特に荷物が重く肩紐を適切な長さに調節して背負った時に、より実感いただけます。
見た目はとてもシンプルですが、他のリュックにはない背負い心地のリュックサックです。
ぜひ一度、お試しください。
STEP10.重い荷物の入れ方のコツ
皆さんはリュックサックにどのような荷物を入れていますか?
「肩の負担を軽くする 撥水 リュックサック」をご愛用いただいている方からはこんな声をいただいています。
タブレットやお財布、折り畳み傘などを入れています。
学生なのですが、教科書や参考書などを入れて毎日背負っています。
震災があってからは、常に500mlのペットボトル2本と救急セットを持ち歩くようにしています。
マザーズバッグ用に買ったのでこどもの玩具や着替えなどを入れて公園に遊びに行く時に使っています。
スーパーに買い物に行く際にマイバッグの代わりに使っています。大きいペットボトルや重い調味料など、買ったものを入れています。
「もしもの備え」として、いつでも持ち出せるように防災グッズを入れて防災リュックにしています。
コメントをくださった方のように日常的に重い荷物を背負っている方も多いと思います。
また収納部が大きいので、サイズが大きくてかさばるものもすっぽり入れることができますが、仕切りや細かいポケットがない分、荷物の入れ方を少し工夫しないと背負った時の感じ方が大きく変わってしまいます。
今回は、荷物を入れるときのちょっとしたコツと2020年3月に発売になった「肩の負担を軽くする 撥水 リュックサック」に新たに追加された“仕切りポケット”についてご紹介します。
登山ザックに学ぶ荷物の収納術
登山ザックは重い荷物を長時間背負うことを想定した構造をしています。
細かい仕様はメーカーにより異なりますが、どのザックにも共通していることは“なるべくザックを身体に密着させる構造”であること。
ザックを“身体に密着させる”と肩や背中で安定するだけでなく、身体の重心とザックの重心が近くなるので、歩行時にザックが左右に振られたり後ろに引っ張られたりせず、余計な力を使う必要がなくなります。
さらにザックの中に詰める荷物の詰め方(パッキング)もなるべく“身体の重心とザックの重心が近く”なるように工夫します。
基本の考え方は「重いものを背中側に。軽いものは背中から離れたところに」
身体の重心と荷物の重心が遠い 身体の重心と荷物の重心が近い
登山をする人達にはこのパッキング方法は常識ですが、この考え方はどのリュックにも共通して言えることです。
そこで、「肩の負担を軽くする 撥水 リュックサック」でもこのパッキング方法が簡単にできるように、新たな機能として「仕切りポケット」を追加しました。
新仕様
追加① 仕切りポケット
PC収納ポケットの前に大きい荷物も入るような仕切りポケットを追加しました。
見た目は“仕切り”なので、薄手のノートや本などしか入らないように見えますが、ポケットの底にはマチをつけていますので、2Lのペットボトルのように厚みがあるような大きくて重いものも入れることができます。
このポケットを使うと、荷物を背中側に固定することができます。
追加② キャリーバーに取り付けられるバンド
キャリーケースの上にのせて持ち運びやすいように、キャリーバーに通せるバンドを付けました。
「仕切りポケット」の効果を検証するために、2Lのペットボトルを2本立てて入れてみました。
今まで通りに仕切りポケットを使わずに入れて背負ってみると、すぐにペットボトルがリュックの中で倒れたことがわかりました。
ペットボトルが背中やおしりにゴツゴツとあたって、背負い心地はよくありません。
一方で、仕切りポケットに入れて背負ってみたところ、ペットボトルは背中側に固定されているので、倒れることはなく背負い心地も安定していました。
リュックの中のイメージ図
今までの入れ方 仕切りポケットを使った入れ方
背負った時の姿を横から見ると、今まで通りに仕切りポケットを使わずにペットボトルを入れた時はリュックが斜め下に引っ張られていました。しかし、仕切りポケットに入れた時は斜め下に引っ張られていません。
2Lのペットボトルを入れてみて分かったことは、背負ったときの背負い心地だけでなく、荷物の入れ方によって見え方にも大きな違いがあるということでした。
今までの入れ方 仕切りポケットを使った入れ方
「肩の負担を軽くする」効果は、特に荷物が重く、肩紐を適切な長さに調節して背負った時に、より実感いただけます。さらに教科書・本・ペットボトルや水筒など、ある程度高さがあって重い荷物を持ち運びたい時や防災用のリュックに、ぜひ新しく追加した“仕切りポケット”を活用してみてください。
コツは、「軽くてかさばるものは通常の収納スペースに」「重いものは仕切りポケットに」です。
背中側に固定するだけで、今までよりもさらに安定感のある背負い心地を実感していただけます。
ぜひ一度、試してみてください。
商品名 | 肩の負担を軽くする 撥水 リュックサック |
---|---|
商品画像 |
|
色 | 黒/ネイビー/ライトベージュ |
価格 | 消費税込 2,990円 |
素材 | 表地:ポリエステル 100% 裏地:ポリエステル 100% |
サイズ | タテ43×ヨコ32×マチ14cm |
本体容量 | 19L |
本体重量 | 約460g |
商品名 | 肩の負担を軽くする 撥水コットン リュックサック |
---|---|
商品画像 |
|
色 | 黒 |
価格 | 消費税込 3,990円 |
素材 | 表地:綿 100% 裏地:ポリエステル 100% |
サイズ | タテ43×ヨコ32×マチ14cm |
本体容量 | 19L |
本体重量 | 560g |