フットカバーの見直し 2
脱げにくいフットカバーにオーガニックコットンを使ったもう一つの仲間がふえます。
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衣服
STEP1.「つま先ワイド 脱げにくいフットカバー」とオーガニックコットン
2015年に生まれた「つま先ワイド 脱げにくいフットカバー」は、おかげさまで日本国内で発売以来170万足以上を売り上げる無印良品のヒット商品となっています。
お客様からも「本当に脱げなくてびっくり」、「脱げにくい!すごいです。」、「驚くほど脱げないしお気に入りです。」というお声を多数いただいています。
商品名にもある「つま先ワイド」「脱げにくい」。
私たちが自信を持ってお客様にお届けできるにはワケがあります。
ポイント1「脱げにくい」
履き口の裏側にぐるっと1周、ダウンストップ(※)という糸を編み込んでいます。これによってフットカバー全体がずれにくくなり、踵からだけでなく、横からもつま先からも脱げにくくなりました。
※ダウンストップとは
ポイント2「つま先が幅広」
つま先部分の形を指の形に合うように幅広に、編目を大きくしました。履いたときに生地が伸びやすく、親指側と小指側から内側にむかって押されにくくなるので、つま先の痛みが出にくくなりました。
ポイント3「見えにくい」
履き口自体がずれにくくなっているため、足を覆う生地の量を少なくでき、靴を履いても見えにくくすることができました。
これらのポイントにより、お客様に満足していただける商品になりました。
詳しくは[フットカバーの見直し1]をご覧ください。
無印良品の定番商品となった「つま先ワイド 脱げにくいフットカバー」に、新しい素材が仲間入りします。
新しい素材とは・・・オーガニックコットンです。
つま先ワイド 脱げにくいフットカバー |
新商品 | |
---|---|---|
素材 | ポリエステル ポリウレタン |
オーガニックコットン ポリエステル ポリウレタン ナイロン |
新商品のオーガニックコットン混フットカバーは、今までの「つま先ワイド 脱げにくいフットカバー」と素材は異なりますが、編み方や脱げにくいための工夫は変わっていません。
新商品に使われているオーガニックコットンについて、少しご紹介しましょう。
オーガニックコットンとは、農薬や化学肥料を3年以上使用しない畑で育てられた綿花のこと。無印良品では、年々オーガニックコットン商品を増やしています。現在では無印良品の綿衣料の9割以上にオーガニックコットンが使われていますが、その取り組みには2つのポリシーがあります。ひとつは、地球環境を守るということ。そしてもうひとつは、生産者を支援し、安心してオーガニック栽培を行えるようにするということ。必要以上に農薬を使うことは、生産者の健康を脅かします。私たちは、使う人だけでなく、つくる人にとっても安心安全なものづくりを心掛けています。環境にも生産者にもやさしいオーガニックコットンです。
綿には柔らかさがあり、お客様からも「綿のフットカバーがあったら嬉しい」というお声をいただいています。無印良品の主要な素材として用いてきた綿(オーガニックコットン)。綿素材でもお客様に満足していただけるフットカバーをつくりたい! と思いました。でも素材が変わっても、お客様に脱げにくい、痛くなりにくいと実感し満足していただけるの? と、ふと疑問が湧きました。
「つま先ワイド 脱げにくいフットカバー」は、多くの女性にご意見やご要望をいただきながら、一緒につくってきた商品です。普段フットカバーを履いている方に試作品を実際に履いていただき、ご意見をいただくホームユーステストを実施し、本当に脱げにくいのか、つま先などの痛みはあるかなど、アンケートにご協力いただきました。試行錯誤し、お客様と一緒につくったフットカバーは、みなさまにその良さを実感し、満足していただける商品となりました。
オーガニックコットン混フットカバーでも、みなさまにオーガニックコットン混の良さ、脱げにくさを実感していただける商品にしたい!と思いました。そこで今回もホームユーステストを行い、脱げにくさや満足感など、みなさまに履いたときの感じをお聞きしました。
次回は、そのホームユーステストの結果をお伝えします。
ホームユーステストとは?
STEP2.素材が変わっても本当に「脱げにくい」の?
オーガニックコットンを使ったフットカバー。
現在販売しているフットカバーと同じように「脱げにくい」フットカバーなのでしょうか?
今回も一般の方にご意見をいただくため、ホームユーステストを実施することにしました。
事前にアンケートにご協力いただいた5000名の女性の中からホームユーステストにご協力いただける方を募集しました。
ご協力いただける方には、オーガニックコットン混のフットカバーと2015年から販売している「つま先ワイド 脱げにくいフットカバー(=現行品)」をお送りして、実際に履いてもらいアンケートに答えていただきました。
- 実施期間:
- 2016年5月21日~6月1日
- モニター対象:
- ・20~40歳代女性66名
- ・足のサイズ:23~25cm
- ・直近3ヶ月もしくは昨年春夏にフットカバーを週2日以上履いている(履いた)人
- ・フットカバーが「いつも脱げる」もしくは「脱げることのほうが多い」人
サンプル
素材が異なる2種類のフットカバーを別々の日に、それぞれ屋外・屋内の両方で履いてもらいました。
アンケート結果
Q.1 フットカバーを履いて歩いたときに、フットカバーが脱げることはありましたか?
[一度も脱げなかった人]と[普段履いているものよりは脱げなかった人]を合わせると、現行品、オーガニックコットン混共に95%以上でした。
どちらの素材でも同じくらい脱げにくいと感じていただくことができているようです。
Q.2 フットカバーを履いて歩いたとき、足に痛みはありましたか
[痛みがなかった]と回答した人は現行品で約64%でしたが、オーガニックコットン混では約83%でした。
「つま先ワイド」の通り、どちらの素材でもつま先部分の形を幅広にして、編目を大きくした効果があるようです。
それに加えてオーガニックコットン混ではオーガニックコットンの自然の柔らかさが発揮されているようですね。
Q.3 それぞれのフットカバーについて、どのくらい満足されていますか?
どちらの素材も、80.3%の方が満足していると答えています。
どちらの素材のフットカバーを選んでいただいても満足していただけるフットカバーであるということが分かりました。
私たちはどちらのフットカバーも、「脱げにくいフットカバー」としてお客様に自信をもっておすすめします。
ですが、せっかく開発した2種類の素材のフットカバー。「つま先ワイド」、「脱げにくい」だけが特長でしょうか?
もちろん素材の好みや肌触りで、お好みの素材を選んでいただいてもよいのですが、現行品にもオーガニックコットン混にも、それぞれの良さがあるはず! と思い、この2種類のフットカバーを比較していただきました。
Q.4 【屋内】
「滑りにくさ」についてはどちらのフットカバーが良かったですか?
6割弱の方が「どちらも滑りにくい」と答えています。
残りの4割のうち、[オーガニックコットン混の方が良い]と感じた人の方が多くいました。
これまでもMUJI passportで、お客様より「滑りにくい加工をしてほしい」など「滑りにくさ」についてご意見をいただいていました。屋内で着用する時はオーガニックコットン混のフットカバーがよさそうですね。
Q.5 【屋外】
「蒸れにくさ」についてはどちらのフットカバーが良かったですか?
現行品の方が蒸れにくいと感じた人が約38%いたのに対し、オーガニックコットン混の方が蒸れにくいと感じた人は半分以下の17%でした。
素材が違うことでこんなにも差が出るとは驚きました。
靴の中では、吸湿性の良いオーガニックコットン混は蒸れを感じやすいのかもしれません。
この結果を見ると、汗をたくさんかく夏の時期には現行品が活躍しそうですね。
Q.6 履く前と履いた後の素材の感触や好みについてどちらが好きかお答えください。
履く前も履いた後も、「どちらか一方の方が好き」と答えた方は現行品もオーガニックコットン混もほとんど差はありませんでした。
しかし履く前に「どちらも好き」、「どちらも好きではない」と回答した人は、履いた後に気持ちに変化があったことが分かりました。
履く前は「どちらも好き」と答えた人は50%弱いましたが、履いた後では「どちらか一方の方が好き」に変わっています。また履く前は「どちらも好きではない」と答えた人が、履いた後にはとても少なくなっています。実際に履いたことで素材の違いを実感することができたようです。
では、履く前と履いた後ではどのように気持ちが変化したのでしょうか?
すこし詳しく見てみることにしました。
履く前は[現行品の方が好き]と回答した人のうち、半分の人が履いた後にオーガニックコットン混の方が好きと答えています。
履く前は[どちらも好き]と回答した人のうち7割の人が、履いた後には[どちらか一方の方が好き]と気持ちに変化があったことが分かりました。
気持ちの変化の理由として、現行品の方が好きと回答した人は「蒸れない・通気性がある」、オーガニックコットン混の方が好きと回答した人は「フィット感がある・痛みがない」と答えています。
実際に履いてみることで、イメージではなくそれぞれの素材の良さが実感できるようですね。ぜひみなさんには両方履いていただいて、自分にぴったりの素材を見つけていただけたらと思います。
Q.7 2種類のフットカバーを比較して、どちらを使いたいと思いますか。
[どちらかといえば現行品を使いたい]と答えた人も、[どちらかといえばオーガニックコットン混を使いたい]と答えた人も、どちらも同じぐらいの方に支持されています。
一方で[どちらも使いたくない]と答えた人は、1人もいませんでした。
肌触りなど、他にも好みのポイントは人それぞれあると思いますが、今回ご協力いただいたみなさん全員に、これからも[使いたい]と思っていただけるフットカバーであることが分かりました。
それぞれコメントをいただいているので紹介します。
どちらかと言えば現行品を使いたい
- 蒸れなくて履き心地が良い、足にフィットする感じがする。(42歳)
- 踵の圧迫感が少なくて履いていて違和感がない。履いているのを忘れるほど。長時間履いてもさらっとしている。(45歳)
- 履いた時の履き心地がよく、蒸れない。全く脱げる様子もなく、購入したい。(27歳)
- 薄手で蒸れないから。(31歳)
- 脱げなかったし、さらさらしていたから。(27歳)
どちらかと言えばオーガニックコットン混を使いたい
- 脱げない、素材の質が良い。(46歳)
- 痛みも蒸れも感じず、脱げることもなく快適。(36歳)
- 締め付け感がないのに、一度も脱げなかった。(44歳)
- つま先が痛くならず、クッション性が感じられる柔らかさが感じられて、品質が良い使い心地だった。(35歳)
- 爪先も踵もぴったりフィットしてくれて長時間履いても足が痛くならなかったし、汗の吸収力がよかった。(26歳)
両方とも使いたい
- どちらも一度も脱げることなく、踵の痛みもなく、ストレスなく履くことができました。大変快適でした。(43歳)
- 使用場面や履物に応じて使い分けをしながらどちらも使いたいと思った。(27歳)
- 現行品は履き心地がさらっとして通気性があり夏に履きたいと思い、オーガニックコットン混は柔らかく暖かいので冬に履きたい。(43歳)
- 両方とも暑い日に履きましたが蒸れたりせず脱げたりせずだったので、とても使い勝手が良かったです。(33歳)
まとめ
ホームユーステストの結果、素材がオーガニックコットンに変わっても、現行品同等に「脱げにくい」ことが分かりました。
素材が違うことによって、滑りにくかったり、蒸れにくかったり。
どちらの素材にも各々の良さがあることが分かりました。
素材が異なる2つのフットカバーを、季節や靴、使うシーンに応じて使い分けすることができそうですね。
なんといっても、素材の良さを実感するには、実際に履いてみること!ぜひ両方のフットカバー履いて、良さを確かめていただきたいと思います。
ホームユーステストにご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
次回は2月22日の発売を目の前に、商品の特長をお知らせいたします。
STEP3.2月22日(水)いよいよデビューします。
「オーガニックコットン混 つま先ワイド脱げにくいフットカバー」は、2月22日(水)にデビューします。
今回は、最終の仕様についてご紹介します。
商品名 | 「つま先ワイド脱げにくいフットカバー」※1「ポリエステル混 つま先ワイド脱げにくいフットカバー」 |
「オーガニックコットン混 つま先ワイド脱げにくいフットカバー」 |
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写真 | ||
サイズ | 21~23cm 23~25cm |
|
素材 | ポリエステル 94% ポリウレタン 6% |
オーガニックコットン 72% ポリエステル 23% ポリウレタン 4% ナイロン 1% |
色※2 | 全8色 (オフ白・ペールブラウン・グレー・チャコールグレー・黒・グレイッシュブラウン・ネイビー・カーキグリーン) |
全8色 (オフ白・ベージュ・グレー・チャコールグレー・黒・ベビーピンク・ライトブルー・ネイビー) |
ホームユーステストの結果でもお伝えした通り、オーガニックコットン、ポリエステル、それぞれの素材にはそれぞれの良さがあります。
季節や靴・使うシーンに合ったフットカバーを選んで、履いていただきたいと思っています。
素材の好みだけでなく、ぜひ今回のホームユーステストの結果も参考にしてみてください。
使い方はあなた次第です。
さらに「つま先ワイド 脱げにくいフットカバー」について、ネットストア・MUJI passportに「前後が分かりづらい」という意見が多数寄せられていました。
そこで、つま先側の裏に印を付けることにしました。
この印は、オーガニックコットン混、ポリエステル混、両方のフットカバーに付いています。
(現行品については、既に印付きを販売中)
前後を間違えてしまうと、踵と生地の形が合わないので、足から脱げやすくなってしまいます。
また、踵側の方が大きくできているので、靴から見えやすくなります。
履くときはつま先側の印を目安にして履いてください。
どちらのフットカバーも、お客様に自信をもって「脱げにくい」と実感していただけるフットカバーです。ぜひ実際に履いて、「脱げにくい」と実感してみてください。
またホームユーステストの結果では、履く前と履いた後での好みに変化があったことから、ぜひ両方のフットカバーを履いていただきたいと思います。どちらのフットカバーにもそれぞれの素材の良さがあるので、みなさんに合った使い方を見つけていただけたら嬉しいです。
素材の異なる2種類のフットカバー、みなさんはどのようにお使いになりますか?
最後までこの連載を読んでくださったみなさん、ありがとうございました。
そして、アンケート・モニターにご協力いただきましたみなさん、ご協力ありがとうございました。